ジャニーズ、歌舞伎、宝塚を一緒にして、日本のエンタメの危機…と言っている人多いですが、ちょっと違う気も。
ジャニーズはアイドルですから、活躍の場はテレビと映画、コンサート。
かつては明星・平凡(知らない人多数ですよね笑)というアイドル雑誌の表紙を飾り、歌番組などが活躍の場でしたが、金八先生でたのきんがブレークして視聴率を稼げるようになったら、広告媒体にも使われ、その広告主がスポンサーのTVに出演するようになる…とスポンサーとの関係が密ですが、歌舞伎と宝塚は違います。
もちろん舞台をサポートしてくれるスポンサーはいるけれど、基本はチケットを買って観に来てくれる観客が支えている。
そして、歌舞伎も宝塚も自前の劇場を持っている。
家にいて無料で観られるテレビと劇場まで足を運ぶ舞台はまるで違います。
なので、週刊誌にどれほど騒がれようが叩かれようが、チケットを買う人がいる限りは大丈夫。
誰に憚ることなく、歌舞伎座と宝塚劇場で幕をあげられる。
まあね、夢を見られない宝塚なんてもう嫌、と離れるファンもいるでしょうからチケットの売れ行きに影響するでしょうが、それは仕方ないです。
宙組に問題があることは間違いないと思いますので、風通しをよくして、以前の闊達とした自由な雰囲気に戻して欲しいと願います。
今日は歌舞伎の話。
国立劇場の『妹背山婦女庭訓第二部』に行ってきました。
長いと感じた国立劇場さよなら公演ですが、いよいよ今月が最後。
閉場まで19日でした…
国立劇場は私にとって思い出深い劇場で、歌舞伎のイロハを教えてくれた劇場と言っても過言ではありません。
国立劇場の歌舞伎は歌舞伎座との差別化をはかるために通し狂言上演が多くて(子どものための歌舞伎教室もあるし)通し狂言の面白さや奥深さは国立劇場で教えてもらいました。
閉場は本当に残念ですが、宣伝や営業がとても弱いのでコアな歌舞伎ファン以外の集客がいつも課題で、特にコロナ禍で高齢ファンが足を運ばなくなると空席が目立っていましたから、建て替えてホテルやオフィスビルで稼ぎたい…という意図もわかります。
が、建て替えの入札がこの有様。https://news.yahoo.co.jp/articles/ded808f4142f1bc02c605f32901a75e37ffd9481?page=2
どうなるのか…
立派な劇場だけに惜しいです。
2階に並ぶ名画の数々。
これは鏑木清方『野崎村』。
伊東深水の『娘道成寺を踊る吾妻徳穂』、東山魁夷『雪原譜』もあります。
また、1階ロビーには国立劇場のシンボル平櫛田中作・六代目尾上菊五郎をモデルにした『鏡獅子』
さながら美術館。
この劇場がなくなるのは、とてもとても残念。
長くなったので『妹背山婦女庭訓』第二部の話は次に。
よろしくお願いします。