宝塚月組の初日の幕は開いたのに、突然の休演。
劇場にすでに着席されていた方々の気持ちを考えると胸が痛みます。
HPを見ると今回はコロナではなく、インフルエンザの集団感染のようです。
今、インフルエンザは猛威を振るっていて、私の友人も何人か罹患しています。
1日も早いご回復、そして再開をお祈りしております。
まだまだコロナやインフルエンザで休演がある訳で、舞台の世界に安心できる日常は戻っていません。
実は、私も明日のチケットを持ってました…
先日の国立劇場さよなら公演『妹背山婦女庭訓』第二部のことを。
『妹背山婦女庭訓』を通しで観たのは初めてでした。
歌舞伎座などでは『三笠山奥殿』『吉野川』の場しか上演されないので、『妹背山婦女庭訓』ってどんな話なの?と思いますが、蘇我入鹿という巨悪と闘う話です。
歌舞伎版ロミオとジュリエットという趣の『吉野川』と魔人?入鹿を倒すために必要な『嫉妬に狂う女の生き血』を愛する人に捧げる為に喜んで死んでいく娘の話『三笠山奥殿』をアナザーストーリーにして入鹿の悪を浮き彫りにして、藤原鎌足が入鹿を討ち果たします。
今の歌舞伎界で大悪人を演るならこの人しかいない中村歌六の蘇我入鹿。
求女を愛する町人の娘・お三輪に尾上菊之助。
入鹿妹・橘姫に中村米吉。
一幕の菊之助、梅枝、米吉の道行がまあ美しい!
芸の血って恐ろしいぐらい遺伝するんですね。
苧環(おだまき)がくるくると回り、糸は誰と誰が繋がっているのか…と思う舞踊。
二幕目の『三笠山御殿』では、鱶七実ハ今国に中村芝翫、入鹿の家来に彦三郎と萬太郎を配し、御殿女中の豆腐買・おむらに中村時蔵。
そして、大詰の入鹿誅伐が三幕目。
ここは初めて観たけど、橘姫の最期とか宝剣が龍になるとかがわかってようやく『妹背山婦女庭訓』が理解できた!と思いました。
最後に第一部で息子を亡くした大判事も登場して伏線も回収。
大団円を迎え、手拭い投げがあるのでは?ぐらいのお正月国立劇場の菊五郎劇団を感じ、またも国立劇場がなくなる寂しさを感じてしまいました。
菊五郎は体調不良で休演。
歌舞伎界にとって、なくてはならない存在の尾上菊五郎丈。
一日も早いご回復をお祈りしております。
舞台でお姿を拝見したいです。
歌舞伎は古典が1番面白いと思っていますが、古典はちゃんと稽古している役者がやらないと本当につまらないのです…
9月、10月の国立劇場は面白いと思うのになんでお客さんが入らないのか…26日までです。
ぜひぜひ。
よろしくお願いいたします。