1年もさよなら公演するのか…と思っていたけど、いよいよ来月で閉場、立て直しの国立劇場。
その掉尾を飾るのはやっぱり歌舞伎公演。
2ヶ月で『妹背山婦女庭訓』の通しを。
今月9月は第一部で『小松原』『花渡し』『吉野川』の通し。
『吉野川』は2016年以来だし、『小松原』『花渡し』は上演頻度はもっと少なく2007年以来だと思います。
現在の歌舞伎界で主演の定高を演じたことがあるのは玉三郎丈だけですし、大判事は白鸚丈だけ。
歌舞伎は口伝のようなものですから、とにかく教えていただき、伝統を繋げなくてはなりません。
この『吉野川』という芝居は間違いなく絶滅危惧種認定演目です。
時蔵丈と松緑丈の伝統芸能継承への意欲、挑戦が実を結び、実に熱い舞台でした。
今回は皆さん初役です。
両花道、中央に流れる吉野川、滝車、下手の妹山、上手の背山、歌舞伎版ロミオとジュリエットと言われる悲劇。
ジュリエット?雛鳥に中村梅枝、ロミオ?久我之助に中村萬太郎。
赤姫の梅枝丈がとにかく美しい姫で、そりゃあ蘇我入鹿は欲しかったと思うけれど、雛鳥は太宰家と領地争いをしている宿敵大判事・尾上松緑の息子・久我之助と思い合う仲。
太宰家の主人は後室定高・中村時蔵。
時蔵と松緑がとにかくよくて、この演目を演りたかったという熱を感じました。
今回、歌舞伎を初めて観るという方とご一緒しましたが、泣きながら観てらして、とても面白かったという感想でした。
こんなにいいのに、空席がありました。
千穐楽は26日で、あと3公演です。
ぜひぜひ一度ご覧ください。
私はもう1回アンコールします!
よろしくお願いします。