MadameSoleilの備忘録

ミュージカル、歌舞伎、宝塚、時々ストプレ。観劇大好きブログ。

現代パトロン考

パトロン…とは、後援者、支援者、賛助者、または特権を持つ人や財政支援をする人をいう。

芸術や文化はパトロンによって支えられてきました。

ルネサンス時代、メディチ家が画家や建築家のパトロンとして有名ですが、音楽家や作家、哲学者なども貴族や教会が支援していたことは誰でもご存知かと。

日本でも寺院や豪商が画家のパトロンになり、襖絵、屏風絵などを書かせていました。

芸術とはすぐにお金になるものではなく、お金がかかる割にはリターンが少ない場合が多いです。

が、何より継続、経験が大事ですから育てるためにはパトロンの存在が必要になる…

楽家や美術家に名家の方が多いのは親がパトロンとして支えているからかと。

では、才能があるお金持ちではない芸術家は誰が支える?

パトロンは相撲や歌舞伎ではタニマチと呼び名を変えています。

昔、オーナー社長がいた頃の日本には豪快なタニマチがいて、佐川急便の佐川氏やサントリーの佐治氏などは教養も高く、芸術や音楽、美術、スポーツのタニマチとして名を馳せましたが、今はサラリーマン社長の時代になり自由にお金も動きませんから、タニマチに頼ることもできない。

広く浅く支援してもらおうと始めたのが、後援会とかファンクラブ。

今はなき貴乃花部屋がサポーター制度を始めたのは2004年(佐治敬三氏の死去は1999年)

先見の明はあったと思うけれど、まだまだ力のあるタニマチもいた時代で少々早すぎました…

20年経った今は、ひとりからの支援ではなく広く浅くが基本かと。

翻って宝塚。

タカラジェンヌのご実家にお金持ちが多い訳は、宝塚だけでは生活が成り立たないから…だと思ってます。

親が支えなくては生活できないお給料ってどうよ、と思いますが、あれだけの劇団員を抱えて、スタッフを抱え、企業としての利益を目指したら、あのチケット代では賄えないのは当たり前かと。

で、どこを締めるかと言ったら劇団員のお給料、人件費です。

ご実家が裕福ならいいけれど、普通のご家庭の才能ある人は誰が支える?

広く浅く募ったのが花代で、私設FCというパトロンタカラジェンヌを支えています。

私が支えている、という意識により応援に力がはいるのは間違いないし、太く支えているおばさまの遠い親戚のおばさんのポジションは意外にも心地良いものなんだと思います。

私が育てた…達成感。

けれどそれは現役の時だけ…です。

力士もまげを切ったらただの大男、後援者は違う力士を応援するし、タカラジェンヌも退団したらFCの人数はガクンと減ります。

政治家だって落選したらただの人、ですから。

トップスターでも、トップ娘役でも、いつまでもパトロンがいると思わない方がいいです。

そこを見誤ったのが、最近逮捕された元トップスターです。

「スポンサーだからお金は出して当然、私が詐欺にあったようなもの」と、取り調べで言っているとか…

80歳近くまでついて行くファンをそんな目で見ているんだ…と。

ファンをATMぐらいに思っているのを感じたら、一線を引くことも考えないと、と思います。

無理をしない、させない、が現代のパトロンの条件の気がします。

よろしくお願いします。

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