今年最後の観劇はシアタークリエのVOICARION『スプーンの盾』。
友人が牧島輝のファンで、誘われました。
昨日ソワレが牧島輝の千秋楽でした。
あっ、お誘いはマチネでしたけど…
VOICARIONは『信長の犬』『女王がいた客室』に続き3回目。
朗読劇の認識が一変します。
脚本も音楽も声優も舞台美術もこだわりがいっぱい。
作・演出の藤沢文翁氏はお会いしてみたい方のひとりです。
VOICARION以外で藤沢文翁の作品で、私が観劇したのは『CROSS ROAD』と『キングダム』だけですが…
何の言い訳にもなりませんが、大学受験で日本史を選んだ私は世界史が今ひとつわかっておらず(日本史だっておぼつかないけど…)フランスに関してはフランス革命だけしか興味がなく…だって、『ベルばら』も『1789』もフランス革命が舞台だし、演劇の世界で取り上げられるのはフランス革命ばかりですよね?
ナポレオンはあまり興味がない…
今回のVOICARION『スプーンの盾』はナポレオンが主役と言いたいところですがナポレオンは重要な脇役で、その時代の外務大臣のタレーランとタレーランが見つけた天才料理人アントナン・カレームが主役でした。
タレーランはブルボン家の血を引く名門貴族の生まれですが、足に障害を持っていたために軍隊に入れず聖職に進んだ人です。
先を見る目のある魅力的な人だったらしく天才外交家と言われ、女にモテた美食家だったらしい。
コルシカの田舎者を皇帝にした影の主役だったそうで、先が見えるだけに人を見限るのも早く裏切りの天才とも言われた人だったとか。
そのタレーランに見出されたのが、アントナン・カレームでフランス料理の帝王と呼ばれているらしいですが、知らなかった人でした…
そのカレームが牧島輝。
『キングダム』以来です。
ますます上手くなられたように思いました。
声優もできる!
ナポレオンがロシアで負けて、フランスがヨーロッパ各国に分割統治されるかどうかのウィーン会議で、タレーランとその料理人のカレームが美味しいフランス料理を食べさせることで、フランスの領土を守った…剣ではなくスプーンで国を守ったというお話でした。
もっともっとこの料理が食べてみたい、この料理を作る材料のある土地を守りたいと思わせた料理って、凄いな。
朗読劇なんですが、スチームや火加減の効果音で、料理の匂いすら感じられる舞台でした。
今年ルーブル美術館で見たナポレオン関係の宝飾。
コルシカの田舎者がお金と権力を持つとこうなる…
カレームが軍隊を強くするために、食料を保存して持ち運ぶことを提案して、瓶詰が始まったらしいですが、結果それに頼り冬のロシア遠征に突入し、ロシア遠征に強く反対していたタレーランに見限られるのは皮肉なことだと思いました。
観劇納めに相応しい良質な舞台でした。
どこかで聞いたことある声だと思っていたら、ミッキーロークやメル・ギブソンの吹き替えしている人だった!
そしてナポレオンが高木渉。
コナン⁈だわ(笑)
盲目だけ素晴らしい舌を持つマリーが三石琴乃。
カーテンコールで「今日初めての観劇だった人?」が1/3、「3回以上の人?」が1/3、「10回以上の人?」も1人いた。
声優の世界も熱い!
音楽も素晴らしかったです🎵
東京は30日まで、大阪は1/5〜1/7 サンケイホールブリーゼ。
よろしくお願いします。