昨日は歌舞伎座•夜の部へ。
夜の部は『南総里見八犬伝』『山姥』『魚屋宗五郎』。
『山姥』で初代中村萬壽丈、五代目梅枝丈の襲名披露がありました。
劇中で襲名口上もあります。
元傾城の八重桐は、源氏の武将•坂田時行と恋仲になり男子を産み、足柄山にて母子で暮らしています。
その男子•怪童丸が五代目梅枝。
足柄山の金太郎🎵です。
子役ながら舞踊の場面が多く、五代目は見事に踊っていました。
五代目梅枝くんはお兄ちゃんの丑之助くんや眞秀くんと一緒の時は1番小さく、お兄ちゃんたちに引っ張ってもらっている感じですが、獅童丈の息子さんの陽喜くん、夏幹くんと一緒だと1番大きくて、お兄ちゃん。
両側に陽喜、夏幹を従えて踊る姿が立派で、立派で、カッコよかったです。
初舞台に相応しいいいお役♡
山姥の萬壽丈。
『山めぐり』という為所があり、四季を感じさせる浄瑠璃に乗って舞う姿は惚れ惚れします。
今は山中に引きこもり機織りなどしていますが、元は高級遊女。
隠しきれない気品を感じます。
こういうお役はさすが萬壽丈!
萬壽というお名前で永くご活躍してくださるように祈るばかりです。
萬壽丈のお孫さんに対する眼差しに隠しきれない愛を感じました。
本当におめでとうございます!
猪熊入道というおかしみのある悪役に中村萬太郎丈。
おめでたい芝居に出てくる悪役なので、散々怪童丸にやられます(笑)
劇中の襲名口上には菊五郎丈のお出ましもあり、六代目時蔵丈、陽喜くん、夏幹くんのお父様の獅童丈、ご親戚の歌六丈、錦之助丈と又五郎丈という萬屋勢揃いの口上でした。
客席から見ていると萬屋は仲がよく、ご家庭も円満なご様子で、揃いも揃って子煩悩。
奥様方も必ずロビー活動をしていて、ご挨拶も行き届いています。
梨園の妻は、裏方全般を取り仕切る要のような存在ですから、生半可な覚悟で勤まるものではありません。
ご挨拶して、チケットを売り、お礼状を出し、スケジュール管理して、その上ご主人、息子さんの体調管理に教育…
気苦労の連続で、贔屓筋からは色々やって当然、やらなくてはダメ嫁のレッテルを貼られます。
贔屓筋のお顔と名前を覚えるだけでも大変ですよね💦
歌舞伎役者とタカラジェンヌとの結婚もよくありますが、完全に影の存在の上、やるべきことがてんこ盛り…
自己顕示欲が強いと務まらないので、離婚しなかったのは扇千景さんぐらいかも…ただ、扇さんもロビー活動しているのを見たことなかった…
歌舞伎はファンが長く応援していますが、歌舞伎役者のファミリーとして成長を一緒に感じている人が多く、そこが他の演劇、エンタメと大きく違うところかと。
萬屋は特にアットホームな雰囲気なので、ファンがみんな遠い親戚のつもり(笑)
私も立派に踊る五代目梅枝丈を見て、涙しました。
素晴らしい襲名披露です!
24日まで歌舞伎座。
『魚屋宗五郎』のことも書きたかったのですが、長くなったのでまた今度。
よろしくお願いします。